ラノベ作家が自分の書いた本100冊を使って本棚作って収納してみた

ご無沙汰しています、ラノベ作家の西塔鼎です。

 突然ですが、作家の皆さん。皆さんは自分の作品、書店や通販で買ったことがありますか?

 私はあります。というか、毎回だいたい10冊くらいは自前で買っています。

 献本あるのに何で、と思われる方もいるでしょう。ですがやっぱり、書店などで自分の作品を自分で買うと、「本当に世に出たんだなぁ」としみじみするわけです。

 で、閑話休題。

 10冊買うかはさておき、同じように自分の作品を自分で買われる方は実際のところけっこういらっしゃるのではないかと思います。

 書店特典などが自分の手元に編集さんから届くのは出版されてからけっこう経ってからになりますし、そうなると特典の確認のために買うということもあります。ほかにも、コミュ力強者の方であれば「献本だけじゃ知人友人に配るのに足りないぜHAHAHA」というパリピ発言をされるかもしれません。くたばれ。


 さて、そんな中で皆さんがおそらく困ってくるのが、「買ったはいいけど置き場所どうしよう」というところではないでしょうか。

 もともとの献本もけっこうな量頂けますから、コミュ力強者の皆様ならともかく私のようなクソ陰キャ作者の場合配る相手もいないのでとにもかくにも自作品が大量に貯まるわけです。

 しかも私の場合、なんだかんだでありがたいことに年1くらいで作品を書かせて頂いているので、塵も積もればなんとやら。献本や自著買いで貯まってきた自作品がかさばり始めてきます。

 捨てるのは論外だし、何か有効活用はできないものか……。

 そう考えた末、今回考えたのがこれです。


 そうだ、自作品で本棚を作ってそこに自作品を入れよう。


 自作品の置き場所に困る→本棚が足りない→自作品で本棚を作ってそこに自作品を入れれば無限に収納可能→大勝利。


 この天才的な着想を得た時は、雷に撃たれたような心境でした。

 さて、思い立ったが吉日。まずは計画です。

  まずは今回の主役、自作品。

 こちらについては2021年1月に電撃文庫より出版されました新作ラブコメ

「先輩、わたしと勝負しましょう。ときめいたら負けです」

を使うことにしました。(略称:せわた)

 さとうぽて先生の可愛らしいイラストが光る本作、これで本棚を作れば四方八方に幼女のラブリーな視線が放たれるマップ兵器と化すことでしょう。

 そんなわけで、都合用意したのがこちら。

 弾がなければ銃は撃てぬ。献本と合わせて都合40冊の「せわた」を確保。痛むのは自分の懐くらいなので何も困ることはありません。ガチャ課金よりはよほど有意義と言えましょう。発売2週間のうちにこのくらい自著買いしてれば重版ラインに近づけたのでは?とか考えてはいけない。

 さてさてそんなわけで芯となる本については確保できました。というわけで次、本棚を作るとなれば設計図が必要不可欠。そんなわけで書いたのがこれです。

 これだけ見せられてもさっぱりだと思うので補足すると、アクリル板で本棚の枠組みを作る→壁面・天板部分に隙間を作ってそこに本を格納することで「本でできた本棚」を作ろうという寸法です。

 後から見たら色々とツッコミどころ満載だったのですが、これを書いていた時は深夜テンションだったのであまり細かいことを考えていませんでした。

 そんなこんなでアクリル板切り出しを注文し、届いたのがこちら。

 しっかりとした梱包で届いたので破損などもなく、サイズ感も指定の通りで完璧な仕上がり。ちなみにお値段税込み15632円だったのでこのアクリル板の費用で自著が25冊近く買える計算です。

 ひょっとしたらそれで続刊ラインに乗ったんじゃねえの?というしつこいセルフツッコミは気にせず、よし、やるぞ!と早速作業。

 こんな感じで外枠を作りつつ、本の分の幅を測りながら内壁を貼り付けていきます。

 アクリル板の接着は始めてでしたが、ものっそい勢いで瞬間接着されるのでミスの許されない慎重な作業です。

けっこう形になってきました。

 構造としてはあっさりとしたものですが、主役はあくまで本なのでこれでよし。ちなみに出そうと思えば埋め込まれている本たちはちゃんと回収可能なのでご安心を。


 そんなわけで、そう時間もかかることなく完成!

別アングル。アザラシくんがすっぽり入るサイズです。

 ちなみに横板や奥など、微妙に隙間が目立つのは単純に最初の設計ミスと組み立て中の「まあここは適当でもええやろ(よくない)」という現場の判断による施工ミスです。私が土木業者じゃなくて本当によかった。


 ともかくこれで、夢にまで見た「自作品で作った本棚」の完成です。早速残りも入れていきましょう。

……。

…………。

🤔


 物足りない……。

 壁材として29冊、書架内に12冊。総計41冊といえど、意外とこうしてみると大した量ではありません。

 これでは物足りない……作家として、こんなことで満足してよいものなのか?

 続刊出ねえと言われたからと言って、ここで諦めていいのか?


 ――否。

 というわけで追加の弾幕60冊。合計100冊(のつもりだったんですがよく見たら1冊余分だった)を調達!

 このまま誰の手に渡ることもなく返本されれば処分されてしまうかもしれぬ大事な自作品たちです。

 せめて少しでも手元に、という歪んだ親心とでも思って下さい。

 まあともかくそんなわけで、追加で届いた60冊を含め全収納。

 これが100冊の”圧”――


横から。

上から。

そして圧倒的正面。帯から無数の幼女の瞳がこちらを見つめてきます。


 ちなみに隣の1/48ユニコーンガンダムくんとの比較。こころなしかユニコーンくんも微笑んでくれているような気がしますね。

 作家の夢のオブジェを顕現させられたので満足です。

 ちなみに電撃文庫のラノベ100冊購入でおよそ67000円。1回300円のソシャゲガチャだと200連+くらいです。

 推しの零細作家さんがいたら皆さんも本棚を作って応援してあげると、続刊が出る可能性も増えてガチャ回すよりも皆幸せになると思います。

 それでは皆さん、さようなら。

 次からは重版目指して発売日に100冊買うようにしようと思います。



ちなみにamazonでラノベを30冊買うとこんな感じで届くので、今後ラノベを大量購入しようと思う方はイメージの参考にしてみて下さい。

コールドカーテン

赤とろ/西塔鼎 告知とかなんか細かいのとか色々ちまちま置いておけたらいいなっていうホームページ。